「いただきます」の言葉がなくなる

食事中に気を使わなくなる

食事中に食べ物をよくこぼすようになったら要注意なのはすでに説明しました。これ以外にも、食事中はボケのサインがよく現れる時間です。

 

たとえば、こんな症状が出てきたら注意しましょう。

 

ご飯ができて、食卓に料理が並んだことを告げた時、通常であれば家族が食卓に集まって「いただきます」と言ってから食事をはじめます。

 

しかし、認知症のサインが出ているひとは、周囲に一切配慮せず、席についてすぐに一人で食べ始めてしまいます。単に自分勝手なだけならまだよいのですが、この場合はものすごい勢いで食べ始めるので、「ちょっとおかしいな」と気づくはずです。

 

脳には、思考がどんどん広がっていく機能があります。

 

「○○だから××になって、だから▼▼になるんだな」

 

といった具合です。

 

ですが、認知症のサインが出ている人は思考が拡がりにくくなっており、一緒に食卓を囲む家族のことはおかまいなしに、食べることだけに思考が向いてしまいます。そして食べ終わるまで一心不乱に食べます。

 

最近は核家族化や生活リズムの多様化が進んでおり、家族みんなで食事する機会はあまりないかもしれません。家族で食べる時間がバラバラなことも珍しくはないでしょう。

 

そんな状況では、父親や母親が一人で勝手に食べ始めてしまうのも特に違和感はありません。しかし、そのままで済ませてはいけないのです。

 

家族みんなでする食事は、単なる団らんの場ではありません。家族の顔を見てどんな生活をしているのか、様子はおかしくないかを観察する場でもあるのです。もし一緒に食べるタイミングがあったら、勝手に食べ始めてしまわないかチェックするようにしましょう。